晴れの場所にふさわしい母親の衣装

小学校の入学式で私は母親が作ってくれた衣装を着ました。その時の私の思いと今の私の思いについて書きました。

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晴れの場所にふさわしい母親の衣装

入学式の衣装にて母の愛を想う

駅前で見かける、真新しい制服を着た高校生や、部屋の窓から見える小学生の通学の列。春になったな、新学期だな、と思います。
そんな様子を見ながら、私はふと自分の小学校の入学式のことを思い出しました。
私の通っていた小学校は制服というものはなく、私服で通学をする学校だったので、入学式も、新1年生も保護者も思い思いの衣装で参加をしていました。
そんな中で、私が入学式に着ていた衣装というものは、母親が作ってくれた緑のツーピースでした。
緑のジャケットに緑のフリルがたくさんついたスカート。そして髪も母親が可愛らしく結ってくれました。

母親はもともと裁縫が好きで、この入学式の衣装以外にも普段から私たち子どもの服をよく作っていたのですが、この時の衣装は、本当にまるでお店で買ったような、いやそれ以上に素敵なものでした。
…と、今私はこうやって書いているのですが、実のところ当時の私はその衣装があまり好きではなかったのです。

好きになれなかったところは、フリルがたくさんついたスカート。こんなの私には似合わない、可愛くないから嫌だ。そう言っていた記憶があります。
でも結局これを着て入学式を迎えたわけですが、あれから20年以上が経った今、アルバムで当時の私を見てみると「あぁ、この服を着てよかったな」と心から思えるのです。

母親お手製の立派なツーピースを着て、真新しいランドセルを背負っている私。そしてその横には着物を着た母。よくよく見てみると、そこに写っている私はどこか誇らしげに見えました。

この入学式で着た衣装なのですが、なにせ手作りのものですから布が余ったのです。

その布の切れはじは、他の服やパッチワークの一部などにその後も使われ、今でも少し残っています。
私は時々その布を目にする度にあの時のことを思い出し、当時の母親に想いを馳せます。
手作りの服を着て良かった。私は母親の想いを嬉しく思い、感謝をするのでした。